株式会社 河野製作所

CROWNJUN
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平成21年3月26日(木) 日本経済新聞
  河野製作所 歯列矯正器具に参入
 基礎埋めたまま基盤交換

 医療用縫合針を製造する河野製作所(千葉県市川市、河野淳一社長)は歯列矯正器具の製造に参入する。あごの骨に基礎となるネジを固定し、プレートとワイヤで歯を矯正する器具を開発した。五月にも国内外で発売する。これまでの同種製品より扱いやすいのが特徴という。医療用針で培った微細加工技術を新たな分野に生かし、収益源を広げる。

  口腔外科の資格不要

  開発は医療用品メーカーのオカダ医材(東京・文京)と手がけた。器具は「インプラント矯正」と呼ばれる歯列矯正法に使う。あごの骨にインプラントと呼ぶチタン製のネジを固定し、それを基点にプレートやワイヤで歯を内側に引っ張る。すでに各種の製品が売られている。

 同社が開発した矯正用ネジは基礎とキャップからなる。あごの骨に基礎をねじ込み、金属製の基盤を載せて、キャップで固定する。基礎を埋めたままで基盤を付け替えられるのが特徴。基盤に様々な形のプレートやワイヤを取り付けることで、歯を外に押し出す矯正も可能だという。すでに特許を申請した。

これまでの同じタイプの製品はあごの皮膚の下にプレートを埋め込んでネジで固定していた。皮膚を切開する必要があり、口腔(こうくう)外科の資格を持った歯科医しか手掛けられなかった。同社の製品は基礎のネジをあごに埋めるだけで済むため、資格がなくても扱える。費用や矯正期間も従来ほどかからないという。

 河野製作所は金属の微細加工技術に優れる。顕微鏡を使って指先の血管や皮膚を縫い合わせるなどの微細手術の針では世界でもトップクラスで、直径0.03_以下の針は同社しか手がけていないという。

 同社の河野淳一社長は「インプラント矯正は歯の表側に器具を付ける方法より見た目への影響が少なく、取り入れる歯科医は確実に増える」と予想する。

 2014年9月期の国内売上高は20億円と、08年9月期の倍を見込んでいるが、歯科分野への取り組みで、さらに上積みをめざす。

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