医療用縫合針・縫合糸メーカーの株式会社 河野製作所 所在地:千葉県市川市曽谷 商品販売会社:クラウンジュン・コウノ CROWNJUN

お知らせ

平成21年1月7日 千葉日報
 平成ちば夢開拓社 >2<
 「世界最小針」で脚光
  外科手術の可能性広げる
  河野製作所 市川市

 閑静な住宅街に建つ工場内で、何十人もの社員が顕微鏡や静かに作動する機械をのぞき込み、真剣な表情で作業に取り組んでいる。目に見えるか見えないかの世界最小の針に細い糸を次々とかませ、顕微鏡を使用して行う外科手術、マイクロサージャリー用の針を慎重に、しかしスピーディーに仕上げていく。

 常に新しいことに挑戦する。一番いけないのは現状を維持すること。」医療分野で一躍脚光を浴びた河野製作所(市川市)の河野淳一社長(四五)は、成功のコツをこう語る。

 一九五二年、心臓血管の縫合などに使われる手術用の針と糸を中心とした医療器具の製造販売業者として創業。国内の同業他社は数社しかないにもかかわらず、「医療関係者に名乗っても『知らない』と言われる日々。つらかった」と苦笑いで振り返る。

 転機が訪れたのは、大学病院からの依頼で、「これまでにない画期的な針」を開発した二〇〇二年。〇.五㍉以下の太さの血管縫合を初めて可能にした世界最小の針だ。直径は従来の限界〇.〇七㍉よりさらに細い〇.〇三㍉。技術面で断念していた指先など細かい部位の縫合ができるようになり、医療の可能性を大きく広げた。

 ゼロからのスタートだった。これまで手術用針に使われていた素材には、限界まで細めると強度が低下する弱点があった。「この世にまだ存在しない針」の製造には新しい発想が必要。そこで、さびにくく折れにくいステンレスの新素材を開発、研磨などの独自加工技術も生み出した。何百回と失敗を繰り返したが「失敗も糧」あきらめずに挑む姿勢が報われた。

 誕生した針の販売をきっかけに、医療分野で知名度が格段にアップ。開発から〇八年まで増収増益を維持し続け、針の販売を中心に同年九月期には十億七千万円の売上を達成した。

 近年高齢化が進み、医療機関での手術が急増。医療器具業界での価格競争は激化しているが、「高くても必要とされる最高品質の製品」の提供を強みとする河野製作所にはどこ吹く風だ。

 「大量生産できないために大手が参入しづらい、少量多品種の消耗品を」と遠くを見据える河野社長。四月末には茨城工場を三倍の広さに増築。年末以降に新市場の開拓に向けアジアやヨーロッパへの販路拡大も見据えており、五年後までに売り上げを二十億円へ伸ばす見通しを立てている。

(加藤優)

業種 医療器具製造販売業

所在地 市川市曽谷2-11-10

創業年 1952年

社長 河野淳一

従業員数 106人

   

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