医療用縫合針・縫合糸メーカーの株式会社 河野製作所 所在地:千葉県市川市曽谷 商品販売会社:クラウンジュン・コウノ CROWNJUN

お知らせ

平成22年3月5日 日経産業新聞
 千葉発-----キラ星

   世界最小の手術用針量産

  河野製作所

事業の種求め研究者と交流

 直径0.03㍉㍍。医療器具メーカー、河野製作所(千葉県市川市)が2004年に開発した手術用針は大人の毛髪より細い。手術用針としては世界最小で、直径0.1㍉㍍の血管でも縫い合わせることができる。今のところ量産できるのは世界で同社しかない。

 1949年に計測機器用針の製造会社として創業した。微細手術用針のメーカーとしては日本でも老舗に入る。97年に社長に就いた河野淳一氏が事業領域を広げ、手術用の特殊糸やテープなど多彩な製品を扱うようになった。現在は新分野である歯列矯正器具の開発を進めている。

 河野社長はおじにあたる先代社長の下で営業を手がけていた。97年に経営を引き継いだ時、目に付いたのは現場の停滞感だった。社員の平均年齢は50歳代。「この道一筋という職人肌の人も多かった」という。営業で顧客とじかに接していただけに、変化を嫌っているようにも思えた。

 そこで真っ先に社員の意識改革に取り組んだ。社内の机や機器の配置を全て改め、文字通り職場の雰囲気を一新した。「ベテラン社員が愛用していた”マイ机”まで取り上げた」と河野社長は振り返る。

 中途採用も積極的に進めた。業種は銀行、商社、ゲーム機メーカーなど様々。「基準は『新しい開発に取り組めるかどうか』。今も時期を問わず、年間に5~6人を採用している。

 研究開発費は売上高の5~15%を充てる。大手が手がけないニッチ(すき間)の市場を見つける一方、研究者との情報交換で事業の種を探している。世界最小の手術用針も研究者との情報交換から生まれた。

 河野社長は「開発費を生み出すためにも汎用品の薄利多売はしない。他社が追い付いたら、その分野からは手を引き、高付加価値の製品を作り続ける」と強調する。売上高は年々増加。14年9月期には現在の2倍に近い20億円の売上高を目指す。

 近年は国内の開発拠点である本社が手狭になってきた。同社は09年春、中国・上海に販売拠点を開設した。「将来は中国で開発したい」という同社にとって、今後は現地での人材確保が課題になる。

 

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