河野製作所グループ

沿革・受賞歴

千葉「元気印」企業大賞 奨励賞 受賞

 奨励賞
 河野製作所 (社長 河野 淳一氏)
 手術用糸、針を自前工場で  河野製作所(市川市)
 

 外科手術用針糸製造の河野製作所は49(昭和24)年に計測機器用の指針メーカーとして発足。「東海道新幹線の温度計の針も扱っていた」(河野淳一社長)という。ところが創業者で祖父の河野水之介氏が胃かいようで手術した。「手術用の針を作って恩返ししたかったと聞いている」(同)。これを機に手術用針糸の製造に乗り出す。

 64年の参入当時、切断肢の縫合技術が確立されていなかった。そんななか65年、世界初の切断指の再接着に成功した奈良県立医大の玉井進教授から子指や細い血管、神経の縫合に適した針糸の開発依頼を受けた。

 65年の0.2ミリから針に直径が細くなり現在は直径10マイクロ(1マイクロは百万分の一)メートルにまで行き着いた。一番細い糸と針は乳児の手指の神経の縫合に使われる。この種の針糸は「マイクロサージャリー」と呼ばれ、針の尾部に小さな穴を開け、糸を通して穴を締め付ける。

 最近ではポリフッ化ビニリデン製の糸を開発、99年10月に発売した。従来のポリプロピレン製よりも耐久性があり、人工血管の縫合にも役立つ。これを使うと縫合のための再手術がほとんどなくなるという。

 日本のメーカーで、自前の工場持つのは河野製作所だけ。「どんな要望にも応えられる」という。

   ▽所在地=市川市曽谷2-11-10 Tel 042-372-3281 

   ▽事業内容=医療用具製造   

   ▽売上高=7億2,800万円(2000年9月期)

   ▽従業員=77人

 ニーズに応える製品づくり  河野 淳一社長

 このたびは奨励賞(優秀技術部門)をいただき、誠にありがとうございました。ひとえに皆様のおかげです。心より感謝いたしております。

 これまで以上に信頼と奉仕の精神で愛される会社を目指し、より高度に推移していく医療技術のニーズに応える製品づくりを心がけてまいります。またメーカーとして、微力ながら医療技術の発展に寄与できるよう日々精進していく所存でございます。 

   

(画像クリックにより記事が拡大されます)

CONTENT